「傘が足りず、おじいさんに手拭いを掛けられる地蔵の役。微妙に目立つ…」
音楽の先生が授業に持ってきてくれたトランペットにときめく。数ある楽器の中からトランペットを選んだ理由は「キラキラしてカッコ良かったから」
「1年生で生徒会長になってしまい、大変でした」
このころから音楽が生活の中心となる
「部活ではほとんど練習をせず、野球をしていてよく怒られました」
ハイドンのトランペット協奏曲を披露。「ハイトーンのDes(レ♭)が出て嬉しかったです」
「やはり音楽のそばにいたい、と言う想いが強まり、地元の大学の音楽科を目指しました」
「当時、大学のオーケストラに、堤俊作先生をはじめとするプロの指揮者がいらっしゃいました。そこでプロの凄さを目の当たりにし、更に夢が大きくなりました」
「無理やり出場させられたところ、余りの気持ち悪さで準優勝しました(無論、私はオネエではありません)」
「憧れにほんの少し近づいてきたと感じ、嬉しかったです。でも現実はそんなに簡単ではありません」
「黒岩先生はとても優しくご指導くださいました。最後のレッスンでの『やっぱり音楽は気持ちが大切だし、もっと自由に指揮をして良いんだよ』という言葉は一生忘れません」
「チョン・ミュンフン、ユーリ・テミルカーノフ両先生の共通の教えは、指揮はものを数えるのではない、音楽を作るのだという言葉。いまだに出来ません。 そうそうこの時、一緒に受講していたのが、ベルリン・フィル次期首席指揮者のキリル・ペトレンコさん。当時からダントツで凄かったです」
「オーディションの面接で、故朝比奈隆先生に『私の演奏を聴いた事があるか』と訊かれた際、『ありません』と答え、場を凍らせました」
「秋山先生指揮のカルミナ・ブラーナではチェレスタを弾きました」
「定期デビューで朝比奈先生の前座をさせていただくことが決まった当初、ポスターの私の写真は“卒業アルバムの撮影日欠席の子”みたいでした。ところが『彼も指揮者としてデビューするのだから、私と同じ大きさの写真にしなさい』と朝比奈先生が仰って、このポスターになりました」
「伝統を持たない日本人がどの様に西洋音楽に向き合うかと、とても厳しく指導して下さったレオポルト・ハーガー先生と湯浅勇治先生。お二人ともお酒が入ると、とても優しいおっさんに変わります」
「本選で指揮したブラームスの交響曲第2番は、楽しくて楽しくしようがありませんでした」
「とにかく体力気力でした。言葉は下手なのに、何故かオーケストラととても仲良くなれました。表彰式では、オーケストラは僕に票を入れたと発表があり、嬉しかったです」
「大先輩達と一緒に舞台に立てて、光栄でした」
「後にオペラ『沈黙』を指揮することとは想像出来ませんでしたが、この時、『良かったよ、良かったよ』と手を強く握って下さったのがこの写真です。自分にとって、とても大切な作曲家です」